活動報告

2022.12.8

第2回MedicalPLAYセミナーを開催しました

NPO法人Medical PLAYが主催する「第2回MedicalPLAYセミナー」が2022年12月8日にzoom webinarを使用しオンラインで開催されました。

テーマは「意思決定に寄りそう -Shared Decision Making-」で、医療における意思決定の重要性とそのサポートについて、診療放射線技師、看護師、CLS(Child Life Specialist)、医療機器メーカー、教員、学生など様々な立場の人々計45名が参加し、共に学び合う場となりました。

セミナーの冒頭では、NPO法人Medical PLAYの代表である大脇由樹による活動紹介が行われました。Medical PLAYは、医療を受ける子どもたちやその家族に医療を知ってもらい、また医療従事者に対して相互理解を深めるための活動を行っています。大脇は、Medical PLAYの活動内容や実績について説明し、参加者からは関心の高い質問が寄せられました。

その後、パラマウントベッド(株)の本田 啓樹氏による情報提供がありました。パラマウントベッドは、高齢者向けの介護用品を製造している企業であり、『快適なヘルスケア環境の創造』を理念に掲げ医療・介護の環境をより良いものに変えていく取り組みについて説明がありました。

続いて、NPO法人チア・アート理事長である岩田祐佳梨先生が、アートとデザインを用いた医療について講演を行いました。岩田先生は、アートとデザインが医療者と患者をつなぐ役割を果たすことを説明し、自身が行っているプロジェクトについて紹介しました。その中には、病院内に作られたアート作品や、アート制作が心のケアにつながる事例紹介がありました。

最後に、福島県立医科大学保健科学部診療放射線科学科の五月女康作准教授が、放射線の偏見を減らすために、私たちにできることについて講演を行いました。また、五月女先生は、福島原発事故後の放射線に関する正しい情報を広めるために、環境省の「ぐぐるプロジェクト」にも携わっています。ぐぐるプロジェクトは、放射線に係る健康影響への不安を抱える住民等に対するリスクコミュニケーションを実施するとともに、放射線の健康影響に関する風評を払拭するため、正確な情報を全国に発信する活動です。さらに、現在の勤務先である福島県立医科大学保健科学部診療放射線科学科で取り組んでいるの放射線に関する教育や研究(たんぽぽプロジェクト)についての紹介もありました。


開催後アンケートより参加者の声の一部をご紹介します

【岩田先生へ】

  • 先生の医療現場へのアートやデザインの実装事例はとても興味深い話題でした。今後、医療福祉施設に広く採用されるためには、行政を巻き込んだ仕組みづくりが必要と感じました。
  • 病院アートの施策は患者さんに選ばれるだけでなく、従業員がそこで働く意味になり得ると考えています。人材不足にあえぐ医療業界にあって、従業員満足度が上がった。求人応募が増えた。も重要なアウトカムです。ICT化でどこかコミュニケーションが淡白になってしまいそうな医療福祉の現場に、優しい空間がどんどん広がることを節に願って、私も関心を寄せて参りたいと思います。
  • 通常技師は検査のクオリティのみを追求しがちですが、患者さんは病院に入ってから(通院前からかも)すでにイベントがはじまっていることがよくわかり、多角的に広い視野での接遇の重要性を考えさせられました。

【五月女先生へ】

  • 先生の常にチャレンジしている姿に感銘を受けました。たんぽぽプロジェクト是非放射線技師まで発展して頂きたく思います。
  • 先生の取り組みは行政や職能団体と連携されていることを察し、効果的に課題解決に向けたアプローチをされていることが印象的でした。
  • 福島で活動されるお志しに大変敬服いたしました。また、知りたいことに乗せてあげないと、こちらの主張を聞いてはくれないんだというお話に納得いたしました。特に医療現場と経営者の間に立つ私のような中間管理職は、よくよく心得ておかなければいけないことだと、肝に銘じたいと思います。ありがとうございました。

第2回MedicalPLAYセミナーは、医療に関する様々な立場の人々が集まり、意見を交換し、共に学び合う場となりました。今後も、Medical PLAYは、医療に興味を持つ人々が交流を深める場として、セミナーの開催を続けていく予定です。